強迫性障害の小学生に親はどう関わればいいのか

こんにちは。大阪・堺カウンセリングルームのどか。

心理カウンセラーの武田秀隆です。

 

小学生のお子さんが強迫性障害になって、親としてどう関わればいいのかわからないという相談も最近は多いです。

 

お子さんの症状として多いのが、「確認強迫」と「不潔恐怖」です。

 

今回は「確認強迫」について書いていきますね。

 

小学生のお子さんに多い確認強迫は、ランドセルの中の教科書を何回も何回も確認する、というものです。

 

先生に怒られるのが怖くて、絶対に忘れ物をしてはいけないと、何度も何度もランドセルの中を確認するわけですね。

 

それが、どんどんエスカレートしていって、5回、6回・・・といくら確認しても不安になってしまい、時間割を合わせるだけで1時間以上かかる場合もあります。

 

また、確認に集中している時に話しかけると、「もう!!!途中で話しかけんといてや!!また初めからしないとあかんやんか!」と、ものすごく怒るお子さんもいると思います。

 

確認の流れを途中で中断されると、スッキリしない気持ち悪さに襲われて、一からすべて確認をやり直さないと気が済まないのも強迫性障害の症状です。

 

本人も確認を止めたいのですが、どうしてもやめられないのです。

 

そして、長い時間、確認行為を反復することで、ものすごく消耗してしまい時間割だけでクタクタになってしまいます。

 

だから時間割を合わせるのがすごく億劫になって時間割ができなくて、学校に行けないこともあります。また、いくら確認しても不安が残って、学校に行けないこともあります。

 

確認行為を支えるのではなく、行動療法を支えていく

 

では、親としてどう関わればいいか。

 

何度も何度も教科書を確認する我が子を見て、どう関わればいいかわからないという親御さんも多いと思います。ここではいくつかポイントを書いていきますね。

 

1.叱らない。怒らない。

 

2.時間割や確認を代わりにしてあげるのはどうか?

 

3.行動療法を支えていく。 

 

の順で書いていきますね。

 

 

1.叱らない。怒らない。

 

最初は親御さんも強迫性障害のことは知らないと思います。

 

だから、「いつまでやってるの!早くしなさい!いいかげんにしなさい!」と言いたくなると思います。親御さんの言いたい気持ちもよくわかります。

 

ですが、叱ったり怒ったりするのはお子さんを余計に追い詰めてしまいます。

 

お子さんも、確認を早く止めたいのです。それでも止められないのが強迫性障害の苦しさなのです。

 

 

2.時間割や確認を代わりにしてあげるのはどうか?

 

お子さんが時間割で苦しんでいる姿を見ると、親御さんとしては何とか助けてあげたいと思われることでしょう。不登校になってしまわないように、一緒に確認して「大丈夫だよ」と言ってあげたくなると思います。

 

ですが、この対応は、その時はとりあえず乗り越えられるのですが、エスカレートすると家族に依存するようになる場合もあります。 

 

つまり、家族に毎回確認してもらわなければ安心できない。

 

家族に「大丈夫」と保証してもらわないと安心できない。

 

そういう依存状態になってしまう場合があるのですね。これを「巻き込み型」の強迫性障害と言います。

 

家族がどんどん巻き込まれ、本人の症状もよくなりません。

 

ですので、時間割や確認を代わりにしてあげるというのは、減らしていく方向で取り組むのがいいのですね。

 

ただ、親御さんが昨日まで時間割を手伝っていて、今日からいきなりお子さんを突き放すと、お子さんも大きな不安に襲われて、時間割ができなくなり不登校になってしまう可能性もあると思います。

 

お子さんときちんと対話して、少しずつ確認の支援を減らしていくことが大切です。

 

3.強迫を治すための行動療法を支えていく。

 

強迫性障害は、確認すればするほど治らない特性があります。

 

ですので、治すためには、確認行為を2回までに減らす練習(行動療法)が必要です。 

 

ですが、慣れないうちは確認を減らすと強い不安に襲われます。

 

私のカウンセリングでは、不安に襲われた時にどう考え、どう乗り越えればいいか、そのコツをお伝えしています。

 

親子で学びに来られることもありますし、お母さんが学びに来られて家でお子さんに伝えるパターンもあります。

 

要は、親子で確認行為を減らすトレーニング(行動療法)に取り組んでいくことが大切です。親御さんは、確認行為を減らす行動療法を支えていくのです。

 

確認行為を助けるのではなく、克服するためのトレーニングを支えていく。 

 

それが、本当の意味で、お子さんの自立を支えることになるのですね。