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確認行為がやめられない強迫性障害(OCD)克服のコツ

鍵・ガス・水道の確認がやめられない強迫性障害の克服法

こんにちは。強迫性障害克服カウンセラーの武田です。

 

今回は確認強迫を改善するためのコツを書いていきます。

 

まず確認強迫というのは、いくら確認しても「不確か感」が残って、何度も確認行為をくり返してしまう症状です。 

 

代表的な症状に、外出するときに、水道やガスがちゃんと止まっているか、電気のスイッチがちゃんと切れているか、また、鍵をかけたかなどが不安になって、何度も何度も確認してしまうというものがあります。

 

確認行為を何度も繰り返すことで、精神的に疲れてしまって、外出前にヘトヘトになってしまうことがあります。

 

小学生の中には、ランドセルの中に教科書やノートがちゃんと入っているか5回、6回、7回・・・と確認を繰り返すことがあり、時間割を合わせるのが苦痛になって不登校になる場合もあります。

 

本当は、確認行為をやめたい!減らしたい!と思っていても、いざやめると猛烈な不安に襲われて繰り返してしまうのです。

 

私も小学生のころから確認強迫に悩まされ続けましたが、行動療法を通して、日常生活に支障がないレベルまで改善させることができました。

 

今回の記事は、私自身の実体験に基づいて、改善のコツを詳しく書いていきたいと思います。

 

わかってはいるけれどやめられない。やるのも地獄、やめるのも地獄という確認強迫の生きづらさを抱えている方のヒントになれば幸いです。

 

確認はゆっくり1回がベスト。最大2回まで。3回以上は逆効果

確認の回数ですが、私は「ゆっくり1回」がベストだと思っています。

 

「ゆっくり」と書いたのは、その方が確認したという記憶が定着しやすいからです。

 

確認を早く終えたい気持ちから、急いだり焦りながらの確認は、後で記憶に残らなくてかえって不安になってしまいます。だから「ゆっくり」がいいのです。

 

それと、指さし確認のように体の感覚に残るような確認方法もおすすめです。

 

最も大切なのは「最大でも2回まで」ということです。

 

本当は1回のほうがいいのですが、慣れるまでは、どうしても2回確認したい人もいると思います。

 

普通の人でも、確認を2回する人は結構いますので、私は2回までは正常範囲として認めています。

 

ただし3回目は絶対にしてはいけません。どんなに確認したい衝動に襲われてもしてはいけません。

 

確認行為は3回繰り返すと、4回、5回とやめられなくなってしまうのです。

 

なぜなら確認を3回以上すると、「さっき確認した」という記憶があやふやになってしまうのです。

 

3回確認した途端に「不確か感」が増していき、4回目の確認衝動に火がついてしまうのです。

 

そうなると、もう確認地獄にはまってしまいます。3回以上の確認は逆効果なのです。

 

3回以上は、記憶があやふやになって逆効果になる」と自分にしっかり言い聞かせることが大切です。

 

確認は「ゆっくり1回」。「最大2回まで」のルールを守るようにしてください。 

 

かすかでも確認した記憶が残っていれば、絶対大丈夫と信じよ。

5回以上確認を繰り返すことが儀式化している人にとって、確認を2回に減らすことは大きなハードルに感じることでしょう。

 

例えば、鍵を閉めたかどうかの確認を2回でやめて、その場を離れようとすると猛烈な不安に襲われると思います。

 

すでに確認を2回しているので、鍵は絶対に閉まっているのですが、頭の中には「もう1回だけ確認したい」「万が一ドアが開いていたらどうしよう」という強迫観念が浮かぶと思います。

 

そして「このままだと不安でたまらない。もう1回だけ確認してスッキリしたい」という3回目の確認衝動に駆り立てられます。 

 

ここがふんばりどころですね。

 

「もっと確認しろ」「このまま放っておくと大変なことになるぞ」という強迫観念の声に負けて、再び確認をしてしまえば確認地獄にはまってしまいます。

 

だから、絶対に強迫観念に負けてはいけません。

 

そのためのコツの一つが「かすかでも確認した記憶が残っていれば絶対大丈夫と信じよ」という考え方です。

 

さっき確認したはずなのに、また確認したくなった時は、自分にこう問いかけてください。

 

「確認した記憶はかすかでも残っているか?」

 

そして、ほんのかすかでも確認した記憶が残っていれば、「絶対に大丈夫だ!」と信じて、その場を離れることが大切です。

 

「かすかでも確認した記憶が残っているから、絶対に大丈夫だ」と自分に言い聞かせるようにしてください。

 

この考え方は「最大2回までルール」を支える大きな武器になります。

 

強迫観念は脳の誤作動による間違った命令だから無視が一番。

ここでは、「強迫観念」を無視するコツについて書いていきます。

 

さっき確認したのにもかかわらず、また確認したくなったら、それは「強迫観念」のしわざです。

 

強迫観念がしつこく「もっと確認しろ」「さもないと大変なことになるぞ」「万が一のことがあったらどうする」と脳の中で騒いでいるのです。

 

強迫観念は「正常な不安」ではありません。脳の誤作動による「間違った不安」なのです。

 

脳の中には安全かどうかを判断する眼窩皮質や帯状回という部分があります。

 

強迫性障害の人はそこが誤作動して「安全」なのに「危険」という信号を送ってくるのです。

 

それが強迫観念の正体です。

 

脳の警報装置が誤作動して「もっと確認せよ」と間違った命令を出しているに過ぎないのです。

 

強迫観念は、火事でもないのに警報機が鳴り続けているようなものです。間違った警報なのです。

 

いくら強迫観念が「ほうっておいたら大変なことになるぞ」と脅しをかけてきても、「早くもう一度確認しろ」と命令してきても、それは脳の誤作動による、「エラーの命令」「ニセモノの脅し」なのです。従う必要はないのです。というか従ってはいけないのです。

 

あなたが確認を繰り返したくなった時は、「これは強迫観念だ!脳から間違った命令が送られているだけだ!」と自分に強く言い聞かせてください。

 

そして、「間違った命令なんかに従ってたまるか!」と、強迫観念を無視して、確認行為を繰り返さないようにしてくださいね。

 

大切なことなので繰り返し言いますが、強迫観念が「もっと確認しろ」と言ってきても、それは「間違った命令」です。

 

「間違った命令」だから無視しなければいけません。

 

そのことを知識として知っておくことで、確認行為に歯止めがかかります。

強迫観念は「詐欺師」と思おう。詐欺師は無視が一番。

強迫観念は「詐欺師」に例えるとわかりやすいです。

 

頭の中に「詐欺師」がいて「早く確認しないと大変なことになるぞ」と、あなたを脅してくるのです。

 

しつこい詐欺師ですから注意が必要です。さっき確認したばかりなのに、「また確認しろ。万が一のことがあったらどうするつもりだ」と脅迫してくるのです。

 

「放っておくと火事になるぞ」とか「泥棒に入られるぞ」とか「ウソの脅し」で、あなたに確認させようとします。

 

いいですか。詐欺師だから絶対に騙されてはいけません。ウソの脅しにだまされて、確認してしまったら詐欺師の思うつぼです。

 

詐欺師は調子に乗って、「もっと確認しろ」と何度でも命令してきます。そうなると確認を何度も反復してしまうのです。

 

詐欺師がいくら「もう一回確認しないと、取り返しのつかないことになるぞ」と脅迫してきても、それは「真っ赤なウソ」です。

 

真に受けてはいけません。無視して確認を繰り返さないようにしてください。詐欺師は無視するのが一番なのです。

 

確認は最大でも2回まで!3回目をしたくなったら、それは強迫観念と断定してください。

 

そして強迫観念は「詐欺師」なのです。詐欺師が不安をあおってきても、従ってはいけません。

 

詐欺師だから無視しなければいけない!だまされてたまるか!」と強く自分に言い聞かせて、確認を繰り返さないようにしてください。

 

強迫観念=詐欺師」と覚えておくと、無視しやすくなります。

 

しつこい強迫観念は30分間の先延ばし作戦が有効!

ここまで私は「強迫観念」を無視するコツについて述べてきました。

 

・確認を3回以上するのは逆効果。なぜなら3回以上すればするほど記憶が曖昧になるから。

 

・かすかでも確認した記憶が残っていたら「絶対に大丈夫」と信じよ。

 

・強迫観念は、脳の誤作動による「間違った命令」だから無視せよ。

 

・強迫観念を詐欺師と思え。詐欺師が「もっと確認しろ」と言っても無視せよ。

 

 

これらのコツを使って、強迫観念がどんなに不安をあおってきても、確認行為に歯止めをかけることが重要です。

 

ですが、強迫観念がとてもしつこい時もあるのです。無視しても無視しても、強迫観念にからみつかれてしまう時もあるのです。そんな時の対策について「やってはいけないこと」と「乗り切るコツ」についてまとめていきます。

 

 

【やってはいけないこと】

 

 

✖たまらず確認行為してしまう。

 

ここで確認してしまっては何にもなりません。治らないままになってしまいます。

 

 

✖家族に確認してもらう。保証を求める。

 

家族に確認してもらうと一時的には安心するかもしれません。ですが、それが習慣化してしまうと、家族に確認を依存してしまう「巻き込み型」の強迫性障害に発展してしまいます。

 

 

✖「○○したから大丈夫」と記憶をたどって、安心材料を必死で思い出す。

 

記憶をたどって安心材料を探したくなる気持ちはとてもよくわかります。ですがこの行為も「頭の中の確認行為」なのです。つまり、確認行為の一種なのです。これをしてしまうと、今度は「頭の中の確認行為」がやめられなくなってしまうのです。

 

安心材料のある場面を、繰り返し思い出さなければ気が済まなくなり、精神的に疲れてしまいます。また、何度思い出しても、強迫観念にからみつかれて、次の活動に集中できなくなってしまうのです。

 

この行為は「思い出し確認」とか「メンタルチェッキング」と呼ばれていますが、これらも「強迫行為」なのでしてはいけません。

 

 

【30分間の先延ばし作戦が有効】

 

 

強迫観念が脅しをかけてきても、あわててすぐに反応してはいけません。すぐに反応して、あわてて確認してしまうとやめられなくなってしまいます。

  

少なくとも30分間、確認を後回しにしてほしいのです。「30分後でいいや」と「時間かせぎ」をしてほしいのです。

 

あわてる必要はないのです。どうせ脳からの「間違った命令」なんですから。 

 

とにかく30分間、「確認」を棚に上げてほしいのです。

 

確認のことを考えるのも30分後にするつもりで、確認のことを「考えない時間」をつくってほしいのです。

 

そして、まず「脳が誤作動してるだけだ!だまされてたまるか!」「間違った命令だから無視しよう」と自分に言い聞かせましょう。

 

それから30分間、別の活動に集中するようにしてください。

 

別の活動をして、確認のことから「意識を外す時間」をつくることが大切なのです。

 

その際、強迫観念が抵抗して「早く確認しないと大変なことになるぞ」とわめいてきますが、「30分後に相手してあげるね」と先延ばしして、別の活動に集中してくださいね。強迫観念の相手をせず、「かわす」ようにしてください。 

 

強迫観念の声を消そうとしてはいけません。強迫観念に向き合って戦うとつかまってしまいます。

 

とにかく、強迫観念を相手するのも「30分間先延ばし」にして、その時は別の活動に集中してください。やるべきことをやってください。

 

やるべき仕事に集中するのもよし、音楽を聴いたり、マンガを読んだり、料理をしたり、パズルを解くなり、ダンスをするな何でもいいので別の活動をすることで、強迫観念をかわすのです!強迫観念から「意識を外す」のです。

 

強迫観念と戦うのではなく、強迫観念を「かわす」「棚に上げる」「先延ばしする」のです。

 

30分間、別の活動をしていると、不安がうすれてきます。

 

「まだ気になるが、さっきほどではないぞ」と思えてきます。

 

強迫観念から意識を外すことで、脳の誤作動が治り、正常な感覚が戻ってきたのです。

 

そしてさらに「よしよし、さっきほど不安でなくなったから、もう30分待ってみよう」と確認を先延ばししましょう。

 

どんどん「時間かせぎ」をして、確認しない時間を伸ばしていけば、どんどん脳が正常化して良くなっていきますよ。

 

確認強迫というのは、確認をすればするほどエスカレートして治りにくくなります。鍵、水道、コンロ、忘れ物、支払い、おつり、ゴミなどと、あれもこれも確認したくなる場合があります。

 

もしあなたが今の苦しみから、本気で抜け出したいなら、全力でサポートさせていただきます。

 

いつでもご相談してくださいね。お待ちしています。

 

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